リネンは、洗うたびに少し柔らかくなります。これは劣化ではなく、繊維が本来の状態に近づいていく過程です。正しく扱えば、十年後のリネンは買ったときより良い顔をしています。ここでは、当店でお客様によくお伝えしている手入れの基本をまとめます。

洗濯機で洗う場合の注意点

リネンは洗濯機で洗えます。ただし、ネットに入れて弱水流、水温は30度以下を守ってください。泥染めのアイテムは、最初の三回は単独で洗うことをお勧めします。泥染めは天然の染料のため、最初のうちは色が出ることがあります。これは染料が定着していく過程で、数回洗えば落ち着きます。柔軟剤は使わないほうがリネン本来の質感が保たれます。

干し方としわの扱い

リネンは、脱水後すぐに形を整えて干すことが大切です。乾いてからしわを伸ばすのは難しいですが、半乾きの状態でスチームアイロンをかけると、きれいに伸びます。完全に乾かしてからアイロンをかける場合は、霧吹きで湿らせてから中温で。ただし、リネンのしわは「味」でもあります。無理に伸ばさず、着ながら体温で伸ばすのも一つの方法です。

保管の方法

リネンは折りたたんで保管すると、折り目のしわが定着しやすいです。できればハンガーにかけて保管してください。長期保管の場合は、通気性の良い布袋に入れて、直射日光の当たらない場所に。防虫剤は、天然素材のものを選ぶと生地へのダメージが少ないです。シーズンオフに洗濯してから保管することで、翌年も気持ちよく着られます。

リネンが「育つ」とはどういうことか

リネンの繊維は、洗いと乾燥を繰り返すことで、徐々に柔らかく、しなやかになります。これを「育つ」と表現することがあります。買ったばかりのリネンは少し硬く感じることがありますが、五回、十回と洗ううちに、体になじむ柔らかさが出てきます。当店の2021年のお客様が「洗うたびに好きになる」と言ってくださったのは、この変化のことです。

リネンは、扱い方を知ると、長い付き合いができる素材です。わからないことがあれば、購入後何年経っても、当店にご相談ください。